デカイ猫が寝てる
俺はいつものように寝ていた。寝ながらイビキがうるさいなーと思いながら寝ていた。俺もイビキってかくんだなぁ。自分のイビキってわかるもんなんだ。それにしてもうるせえなー。
ハッ
目が覚めた。イビキが聞こえる。俺は起きたぞ。なぜイビキが聞こえる?右を向いた。猫が隣で寝ていた。デカイ猫だ。なんかやたらデカイぞ。俺と同じくらいの体格がある。こいつがイビキをかいている。うるせえな。起こそうか。でも起こしたらやばくないか?ひっかかれたら普通の小さい猫にひっかかれるよりダメージがはるかにデカイ。猛獣に襲われるみたいなもんだ。しかたない、また寝るか。いびきの音は我慢しよう。
グゴーグゴー
うるせえ、眠れねえじゃねえか。やっぱこいつを起こそう。俺は人間だ。人間が猫に負けるわけがない。人間様をなめるなよー!ん?待てよ。そもそもこいつは猫なのか?猫にしちゃデカすぎないかやっぱり。違うよ。やっぱ猫じゃないよ。おっさんだよ。おっさんが中にいるんだよ。おっさんかわからないけど、とにかく中に人が入っているんだよ!人間なら起こしてもひっかかれる心配はないな。よし、起こそう!・・・・・・いや、怖えだろ。人間だとしても怖えだろ。勝手に人の家で寝てるようなやつだぜ。それも猫の着ぐるみを着て寝ている変態だぜ。どうする。どうする・・・zzz
どうやら寝ていたみたいだな。イビキは聞こえない。デカイ猫はどうなった?俺は右を向いた。
いた!しかも目が開いてる。猫の目だ。人間じゃない。やっぱりこいつは本物の猫だったんだ。俺を見てるよー。そしてあくびをした。とりあえず話しかけてみるか。
「・・・・・・!?」なんだ?声が出ない。体も動かない。これはもしかして金縛りか?猫がずっと見てるよ。頼むから早く金縛り解けてくれー!!!
ハァーハァー、動いた。体が動いたぞ。俺は右を向いた。デカイ猫はいなかった。やっといなくなったか?俺は回りを見回した。いた!リビングにいるじゃねえか!しかもエサを食べてる!
!!!
しかもデカイ猫のそばには、さらにデカイ人間がいる!!この人間が飼い主か!!しかしうまそうに食ってやがる。なんか俺も食いたくなって・・・おい、何考えてんだ。猫のエサだぞ。
うおっ!デカイ人間がこっちに近づいてきた!
俺の近くまで人間が来た。そして言った。
「あなたの名前はトム。トムとジェリーからとったの。今日からここがあなたの家よ。私は飼い主の江里子。よろしくね」
そうか、俺も猫だったんだ。