バイトに受からなかった二十代前半の頃

僕は二十代前半の頃に埼玉県に住んでまして、アルバイトをいろいろ受けましたけど、なかなか受からなかったですね。受けたのはほとんど東京都内のバイトでした。僕は中卒なんですけど、履歴書には高卒と書いていました。その当時はそれが別に悪いこととも思ってなかったです。のちにインターネットで経歴詐称はまずいということを知りました。僕が二十代前半の頃は既に携帯電話を持ってましたけど、当時の携帯電話はネットも見れませんし、当然パソコンなんて高価なもは持ってません。だからいろいろと情報を得ることができませんでしたし、本当に無知な若者でした。まぁ学歴詐称なんてばれないときはばれないんでしょうけど。

 

バイトは埼玉に住み始めてから、一年半後くらい、二年経たないくらいの頃にやっと採用されたんですけど、一日でクビになりました。なぜかというと、電車でバイト先まで通う金すらなかったんで、バイト初日の昼休み休憩のときに、上司に「給料前借りさせてください」って言ったんですね。そしたら、「きみは今日でクビだから」って言われました(笑)午前中だけの勤務、丸一日も働いてないわけだから、当然一日分の給料も貰えません(笑)いやー本当にろくに中学校も行っていない人間なので、一般常識ゼロだったなぁ。アパレル系のバイトで、面接のときにすげえダサい田舎者丸出しの格好して受けたんですけど、よく受かったなぁと思いましたよ。今考えてみれば。でも当時はアパレルの言葉の意味すら知らなかったんで、なんの仕事をするところなんだろ?て思ってましたね(笑)

 

埼玉に住んでいた当時はバイトに落ちまくっても、とくに気にしてなかったですね。ネットがなかった時代なので、人と比較することもなく、自分がバイトも受からないやばいやつという認識も持ってなかったです。若かったというのもあると思いますけど、なんも考えてなかったですからね。幸せとはいえない境遇でしたけど、そんなに悩んだりはしなかったです。でも切羽詰まってた感は常にありました。親の仕送りが送られてくるのにも罪悪感を感じてたような気もします。生活が本当に苦しかったですね。

 

本当にバイトに受からないほどの人間というのは相当やばいですよ。当時僕は二十代前半だったわけです。二十代前半って、バイトで雇う側からしたら、一番雇いたい年代だと思うんです。僕は普通免許もその他の資格も持ってなかったですけど、二十代前半ぐらいだとそれも割と普通だし、ましてや車が必須のような田舎で職探しをしていたわけでもありません。採用されなかったのは何が原因だったのか、何が悪かったのか、最近になっていろいろ考えました。氷河期世代というのも関係しているかもしれません。でも根本的な原因というのは、僕の外見、所作、話し方などが悪かったことにあると思います。おそらく人を採用する側の人間というのは、見ただけでこいつは使い物にはならないとか、人と上手くコミュニケーションを取れないだろうというのがわかるんだと思います。見ただけというのは言い過ぎかもしれませんが、僕の場合は特にこいつは使い物にならないなと思われたのかもしれません。それか物凄く嫌悪感を抱かせる外見に見えたか。声が小さかったとかは特になかったと思うんですよ。僕の声が小さければ、聞き返したりしてくるはずですし、そういうことはなかったような気がします。一番悪かったのはやはり外見。人に嫌われる外見だということでしょう。