キャット探偵事務所(1)
プルルルルルル
今日は朝の10時からキャット探偵事務所に電話が鳴り響いた。この時間の電話は珍しかった。
「はい、こちらキャット探偵事務所」電話を出たのは若い女性社員のピンクリンだ。
「そちらに荷物を届けさせてもらった。その荷物をある人物のもとに届けてほしい。届け先の住所は包みを開ければわかる」と電話をかけてきた男は言った。
ピンクリン「荷物を届けてほしい?え?・・・」
「荷物はそろそろそっちに届くはずだ。金はミッションが完了したら、それ相応の額を支払うつもりだ。頼んだぞ」と言うと男は電話を切った。
「なんの要件だった?」と主任のチーズがピンクリンに聞いた。ピンクリンは電話の内容をチーズに話した。
チーズ「なぜ直接届けず、俺たち探偵に頼むんだ?」
しばらくすると宅配業者が荷物を届けに来た。
荷物は電子レンジが入るくらいの大きさのものだった。
ピンクリン「なんでしょうねこれ、開けても大丈夫なんですかね?」
チーズ「紙袋を開けるくらいだから大丈夫だとは思うが、怖ければオフィスから出るんだ」
ピンクリン「大丈夫です」
紙袋を開けると何も書かれていない白い箱があらわれた。箱の上には小さな紙がテープで張り付けてあり、住所と名前が書いてあった。
チーズ「ジャデンラス地区ゲーリー987-654、豪滝厳造・・・」
ピンクリン「ジャデンラス地区ってどこですか?聞いたことないですね」
チーズ「ジャデンラス、マグロ州の北側にある地図に載らない立ち入り禁止区域だ」
ピンクリン「え!?立入禁止区域に荷物を届けに行けってことですか!?」
チーズ「豪滝厳造・・・やはり生きていたか・・・」
「ほーげー、なんだその荷物は?新しいテレビ買ったのか?」社員の一人フラワーが入社してきた。
チーズ「フラワー、今からジャデンラスに行く。お前も来い」
フラワー「ほーげー、どうやら久々の仕事の依頼のようだなー。しかもジャデンラスに行かなきゃいけないとはなー」
駐車場まで行くと車がなかった。
チーズ「そういや車はミカサが乗っていったんだったな」
フラワー「どうせあいつのことだから、今頃なんか食ってんだろ」
チーズはミカサに電話を掛けた。
チーズ「ミカサ今どこだ?」
ミカサ「パンダ公園の前にいます。今ネコネコバーガーでハンバーガー買ってきたとこなんすよ」
チーズ「パンダ公園か。俺たちがそこまで行った方がはやいか・・・ミカサ、俺とフラワーがそっちに走って向かうから待ってろ」
チーズとフラワーはミカサが待っているパンダ公園前まで到着した。
ミカサ「もう到着しましたか。お二人ともやっぱ足速いっすねー。ん?なんですかその荷物?」
フラワー「これをジャデンラスまで届けにいくらしいぞ。ほーげー、ハンバーガーのいい匂いがするなー」
ミカサ「え?ジャデンラス!?そんなの人間が行くとこじゃないでしょ!」
チーズ「ミカサお前が運転してくれ。俺じゃすぐ速度オーバーしてしまう」
ミカサ「はぁ!?僕行きませんよ!ジャデンラスなんか!」
フラワー「行ったことないのに文句言うなー案外楽しいとこかもしれないぞー」
ミカサ「わかりました。じゃあお二人をジャデンラスの前で降ろしたら帰りますわ」
チーズ「おい、俺たちはどうやって帰れって言うんだ?」
ミカサ「ああそうか・・・じゃあジャデンラスに入る前の町、地名わかんないですけど、そこの喫茶店かなんかで待ってることにします」
チーズ「まぁ、とにかく行くぞ」
こうして、チーズ、フラワー、ミカサの三人は、ジャデンラスまで車で向かうことになった。