映画無き生活
映画というものを本当に見なくなりました。僕が一番映画に対する熱量が高かったのは、十代半ばの頃でしょうか。十五歳の時にブラウン管のテレビデオにBSチューナーを取り付けてNHKBSの映画を見始めたのが、1996年の9月の頃でした。今はNHKBSでは、主に昼にしか映画をやっていませんが、当時は夜の8時と深夜12時過ぎにも映画を放送していました。僕はサッカーも好きで、BS1で録画放送していたスペインリーグも見ていましたね。バルセロナにロナウドがいた頃です。当時BSのチャンネルと言えば、NHKのBS1とBS2それとWOWOWの3つだったと思います。WOWOWに関してはスクランブルがかかっていて契約しなければ見れないわけです。見れないんですけど、スクランブルでぐちゃぐちゃしている画面を見ているとなんかどうしても見てみたいという気持ちにさせられて、親に頼んでWOWOWも契約してもらいましたね。1996年のクリスマス前あたりでした。
一人暮らしをしていたときは当然地上波しか見れないわけですけど、日本テレビやテレビ東京の深夜にやっていた映画はよく見てました。
スカパーの映画セットを契約したのが二十五歳でした。最初の頃はよく見ていて、年月が経つとだんだん見ないことも多くなっていきました。たまにしか見なくなったけど、いきなり解約させられて見れなくなったときはやはりショックでした。七年前、2013年でしたけど、父親がいつのまにか勝手に解約していました。この頃から映画を見る回数がぐっと減りました。
映画をほとんど見ることがなくなったもう一つの理由はレコーダーがおかしくなったからです。録画中や再生中に急に止まるので、映画を録画して見ることも減っていきました。録画してまだ見ていない映画もありますけど、見る気が起きません。見ている最中に急に止まったりしたりすることを考えると見る気が失せます。
映画を見る習慣が失われると、たまたまタイミングが合って、今やっているから見ようかなと最初思っても、なんか見るの面倒くさいなって風になるんですよ。それは小説なんかも同じだと思います。ずっと読んでいないと、また読み始めるのが億劫になるじゃないですか。
今は本当に映画や小説に没頭できるような精神状態じゃないですね。それだけ心がずっと沈んでいます。40近くで何もない田舎に住んでいて、この状態が続くとするといつまで生きれるか本当にわからないですね。おっさんの自分が「バスから電車に乗り継いで二時間かけて通勤します」って言っても雇うやつなんていないだろって話です。